【第56話】 第29回日本耳鼻咽喉科漢方研究会

 今年も私にとっての「甲子園」、全国の耳鼻咽喉科医たちと漢方治療について熱い議論を交わせる研究会の日がやって来ました。今年の一般演題は12題とやや少なめ、参加者は正木稔子先生と恒富今日子先生が欠席したにもかかわらず、今年も171名でした。西洋医学で対処できない症状・疾患に漢方薬を用いてみようという気運は年々高まっており、報告の対象を列挙すると、内リンパ水腫、耳鳴、口内炎、慢性扁桃炎、咽喉頭異常感症、逆流性食道炎であり、まさに機運が熟していることを感じました。

そんな中で、今年は西洋医学的に難治とされる耳鳴の治療について、内薗明裕先生(鹿児島県)や涌井慎哉先生(箕面市)との質疑応答が一際盛り上がりをみせました。私や内薗先生は、漢方専門医であり、漢方医学的診察も行っているのですが、涌井先生は日本漢方を軽視し、自らの中医学的木本流弁証論治を過剰に自負されました。「ちょっと待った!」とする私との丁丁発矢のやり取りに聴衆はどぎまぎしたのです。私と涌井先生はもともと仲良しであり、入口は異なっても、患者さんをより良く治すという出口は一緒なので、フロアでもにこやかに談笑する我々の姿に皆さん安堵されたようです。強いて申し上げるならば、私は日本漢方と中医学を大きく分けることなく、ひとつ(『漢方』あるいは『東洋医学』)として考え、方証相対も弁証論治も利用しています。
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懇親会での議論(場外乱闘)も楽しみのひとつです。私の発表に大いなるヒントを与えて下さった重鎮・元信州大学教授の田口喜一郎先生とお話することができました。「面白い発表でした」とお褒めを頂きました。この研究会の代表世話人である自治医科大学の市村恵一教授や顧問の山際幹和先生、いつもユニークな発想の竹越哲男先生とも熱く語りました。慶応大学教授の小川郁先生と金沢大学准教授の小川恵子先生にはまもなく発刊が予定されているJOHNSの漢方特集について相談させて頂きました。
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二次会は藤田保健衛生大学の准教授・中田誠一先生と名古屋第一日赤で一緒に働いていたことがあるという小川先生を連れだって、『RRR』へ行きました。ソムリエの高橋さんが私の大好きなシャトー・ヌフ・デュ・パプを用意して待っていてくれたからです。豊かな果実味がたまらない赤ワインです。
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翌日は、ホテル前の広々とした公園を散歩し、前から行ってみたかった中華の名店でランチして帰りました。
とても元気を与えてくれる美味しい薬膳で感動しました。
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その道中、黒山の人だかりを見つけました。11月のNHK杯国際フィギュアスケート競技大会を宣伝する路線バスのラッピングの仕上げに日本代表選手がバスにサインをしていたのです。
ところが、織田信成選手のサインが大き過ぎて、浅田真央選手の顔にヒゲを落書きしたようになってしまい、
一同大爆笑でした。   
http://www.youtube.com/watch?v=r84REeOKYVA&feature=youtu.be
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