【第7話】 花粉症

【間違いだらけの花粉症治療 その1】

「予防投与と初期治療」

今年のスギ花粉飛散開始は、3月2日(金)と遅かったのですが、5日(日)から大量に飛散するようになり、当院の待合いは溢れんばかりの状況です。パソコンや携帯での予約の要領のわからない初診の花粉症患者さんがたくさん来られたためでもあります。定期的に比較的遠方からお越しの方は、「時間どり予約」を、近隣の方や週に数回来院する必要がある方は「順番どり予約」をご利用下さい。およそ一人4分と計算して頂き、例えば30番の番号がとれた方は、その日の診察開始120分後に順番が回って来るという予想がたちます。その朝11時前にお越しになれば、待ち時間は少なくて済みます。(機械音痴で、ネット予約がよくわからないという方はこの文章は見ておられないわけですが、診療前から並んで頂いたら、ネットチームより優遇しております。)

さて、間違いだらけの花粉症治療のひとつに、「初期治療」「予防投与」があります。両者は同じ意味で、「症状が始まる前、花粉が飛散する2週間前から抗アレルギー薬の服用を開始し、例年の花粉症状を軽減させる」というものです。実は、15年前は正しかったのですが、時代の変遷とともに時代遅れの治療法となりました。昔のセルテクトなどの抗アレルギー薬は力不足で、前もって飲んで、十分に血中濃度を高めておかないと効かなかったのです。今、売り出されているタリオンやアレロックなどは、飲んで30分以内に効いて来ますから、症状が出てから飲んでも十分間に合います。昔の治療の押しつけで、1月頃から真面目に(?)服用していた方は、ずいぶんお金を損しただけではなく、無意味に鼻粘膜と口腔粘膜を乾かして不健康な状態になっていたということになります。早めに来院して頂くと医院と製薬会社は儲かるので、時代遅れとなったこの治療法を未だに推奨していることがあるので注意が必要です。ちなみに当院でお出しする虎龍湯という漢方薬(保険適応)は、飲んで5分で効きます。予防的に内服する必要などまったくありません。冷えが強い、胃が弱い、肥満であるなどの背景的な歪みがある場合や、例年の症状が強い場合には、体質改善の漢方薬を処方し、真面目に飲んで頂きますが、即効性のある漢方薬は症状が出ている時だけ飲めば大丈夫です。是非、ご相談下さい。お一人お一人に最適なお薬を処方しています。必要に応じて、点眼薬や点鼻薬も処方しますし、ご希望があれば西洋薬も処方しますので、ご安心下さい。

花粉の飛散状況は、大阪医科大学耳鼻咽喉科学教室のホームページ上の 花粉情報 をご覧ください。

今年は1月25日から空気中にごくわずかなスギ花粉が観測されました。

1平方センチメートル辺り10個以上で症状がはっきりと現れ、30個以上で強くなり、100個以上でかなり強くなります。連続して1個以上の飛散を観測した日が飛散開始日ですから、2012年の飛散開始日は、3月2日です。ちょろちょろ飛び出したのは、2月28日からです。では、「1月頃から花粉症状が起きていた!」という方、本当でしょうか?それらのかなり多くは風邪冷え症鼻炎(血管運動神経性鼻炎)です。ほとんどの耳鼻咽喉科医ですら、この事実を知りません。是非、私にご相談ください。(つづく)

■花粉症の講演で話す今中政支院長

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