【第43話】 あの友里が絶賛する『エッソンス・エ・グー』にて

  今年の私のお誕生日は、業界No.1辛口グルメ評論家・友里征耶氏が関西フレンチ界において、たった2つしか褒めなかったお店のひとつ、わが街の名店・『エッソンス・エ・グー』でお祝いしました。友里氏 は「…ではありますが」という独特の語り口で、「食べログ」などで絶賛されている有名店であっても、片っ端から「めった斬り」にする自腹グルメ・レポーターです。『シェフ、板長を斬る 悪口雑言集』で名を馳せた彼ではありますが、2011年に『絶品レストラン』を執筆、関西の食べ仲間に連れられて訪れた高槻のビストロ風(?)のお店の味、ソース、コストパフォーマンス、ポーションに感嘆、「過大評価の多いなか、友里が見直したフレンチの逸店」「ディープ感ある料理と安い値付けのワインを存分に楽しんだ」と紹介したのであります。

  まず、彼はこの店の前菜のクオリティの高さに「ビックリ」したのであります。本日はタチウオとカツオのタタキが絶妙に調理され、脾胃の活動を促進するパンチ(酸味)の効いたソースで仕上げられておりました。もちろん、お野菜のボリュームも卓越しております。そして、ウニとズワイガニを使ったコーンの冷製スープも絶品でありました。

  続いて、本日のお魚料理は金目鯛とイカのひと皿でした。金目鯛のヒレの裏に隠れた身をこのトマトの甘味を活かしたソースで頂くと思わずガッツポーズが出るほどの美味しさであります。

  さて、改装に入り、しばらくご無沙汰していた私ではありますが、煌びやかな奥のテーブル席ではなく、一枚板が見事な木製のカウンター席をあえて指定したのであります。ここまで、山田シェフの凄腕に脱帽の3皿ではありましたが、その立派なカウンター越しではなく、背後からサーブされるという不可思議なサービスを受けておりました。しかし、ついに赤ワインを注文した際に幸運の時が訪れたのであります。「恵比寿の『タイユバン・ロブション』の立ち上げ時に応援に行っていた、その筋では有名な」偉大なるシェフ自らワインをサーブして下さる瞬間、その瞬間を写真に収めようとしたところ、「プライベートなんで、撮らないでもらえます。」というちんぷんかんぷんなお言葉を頂いたのであります。

  いよいよ、メインのお肉です。私はスペインの豚を、家内は鴨肉をチョイスしました。
「これで4500円ですよ、信じられません。ここまでCPの良い料理を提供する良心的なお店は滅多にないでしょう」と友里氏が絶賛するはずであります。そして、いつも添えられてくる野菜のグレードの高さにも驚かされるのであります。

  お世話になった高橋宏明名誉教授との会食 にもご利用させて頂いたのではありますが、なんといっても今回は私の誕生日祝いです。シェフも気をきかせて、私のデザートにだけ、なんと私の服装とコーディネートされた色のロウソクを1本灯してくれました。いろいろとお話もお聞かせくださり、本当に有難うございました。
大変美味しゅうございました。