【第20話】 中医臨床

「中医臨床」という有名な中医学雑誌(東洋学術出版社)があります。日本東洋医学会・漢方専門医の私にとってもレベルの高い充実した内容が満載されています。この雑誌が12月に「耳鼻咽喉科疾患」に関する特集を組むことになり、安井廣迪先生、平馬直樹先生、菅沼栄(胡栄)先生、山口英明先生、加島雅之先生という中医学の重鎮で行われる編集委員会議に、ゲスト参加して欲しいという依頼を受けました。

菅沼栄先生のご著者は三冊所蔵・活用しており、ご本人に直接ご指導を頂ける貴重な機会だと前日から東京入りし、当日は「なんの間違い?」というぐらいのお洒落をして臨みました。日頃、たくさんの耳鼻咽喉科疾患に接しているとはいえ、恐れ多くも日本中医学会会長などを前にして持論をしゃべりすぎるぐらいしゃべりました。しかし、つまみ出されることもなく、3時間に及ぶ激論は終了し、東京駅近くの居酒屋に舞台を移し、大阪へ帰る新幹線がなくなるギリギリまで4時間も囲んで頂きました。

 

12月の発刊に向けて、宿題もしっかり渡されました。また、近い将来、本場中国の耳鼻咽喉科医と対戦をするという「料理の鉄人」ならぬ「漢方の鉄人」のオファーも頂きました。それから、ミーハーぶりを発揮し、菅沼先生ご執筆の「いかにして弁証論治するか」の表紙にサインを頂きました。

そうそう、せっかくお洒落をして来たこともあって、前日の10月13日、昨年お伺いして驚嘆した「高いワインをとても安くグラスで提供してくれる」ワイン・レストラン「RRR に寂しいことに一人でお邪魔しました。居並ぶ東京美人達を眺めながら、但馬牛ステーキとジュヴレ・シャンベルタンなどを頂きました。

ソムリエの高橋さんは大阪から来た田舎者の私にも優しくしてくれました。このお店は、「芋洗坂」というところにあります。この坂を歩いていると、美人さんに声をかけられたので、大好きなソルティードッグを飲んでから宿泊先の「六本木ホテルS」(今年10月オープン)に戻ろうと考えて、彼女のお勧めのバーに立ち寄ることにしました。芋洗坂係長のようにボラーレる こともなく、無事帰れました。